抄録
本研究では,都市計画基礎調査の調査項目の中で,土地利用現況図と建物用途別現況図を作成した。山形市中心部に位置する十日町周辺の,区画整理対象地区と,その北側に隣接する区画整理が実施されていない地区を対象地域として,二時期における土地利用状況や建築物の経年変化を調査し,都市の動きを視覚的,及び数値的に表現して,その推移を把握する。
今回,一部地域ではあるが,都市計画基礎調査における主題図を, GISを用いて作成することができた。デジタル化によって,面積集計や,その経年変化を効率的に把握できるのは明らかである。また作業効率から見ても,変更点の修正で済むといったメリットは大きい。一方,デジタル化に移行する初期費用など,導入に至るまでの課題もある。
しかし,デジタル化することによって様々な分析・研究が可能になり,さらにそれらのデータを蓄積することで,より正確に都市の現状と傾向を判断し,より効果的に都市計画を進められるのではないだろうか。