日本地理学会発表要旨集
2009年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: P1006
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ネパール・ヒマラヤ山地におけるリンゴ栽培と気候環境
*中村 圭三
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抄録
1. はじめに  ネパール・ヒマラヤ山中のジョムソム Jomsom 2720m(図1)周辺では、日本の協力によりリンゴの栽培に成功している。一方、エヴェレスト街道Lukla近郊のアップルプロジェクト農場(2660m、図1)では、1997年の設立以来、日本品種のリンゴ栽培が試みられている。  そこで、ほぼ同高度に位置する両地のリンゴ栽培に関し、特に気候環境を中心に、日本のリンゴ産地とも比較しながら検討することを試みた。 2. 調査地域 アップルプロジェクト農場のあるチェプルンChheplung 2660mでは支柱、ジョムソム近郊のマルファMarpha 2670mではリンゴの木のそれぞれ0.5mおよび1.5m高度に、シェルター内にセンサをに装着したデータロガ(おんどとりRTR52)を設置し、2007年8月末から2008年2月までの期間に、1時間ごとに気温を観測した。 3. 調査結果 (1) ネパールのリンゴ産地の気候は、日本の産地の気温と年平均気温はほぼ 等しい。 (2) 有効積算気温は、長野1959.7℃に対し、チェプルンおよびマルファで は、それぞれ約1100℃、約1300℃と推定される。 (3) 低温要求時間は、長野3139時間に対し、チェプルン およびマルファで は、それぞれ3400時間、28000時間と推定される。
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© 2009 公益社団法人 日本地理学会
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