日本地理学会発表要旨集
2010年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: 401
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アジアの7大都市における都市温暖化の数値シミュレーション
*一ノ瀬 俊明原田 一平豊田 知世
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抄録

東京、大阪、ソウル、バンコク、台北、マニラ、ジャカルタというアジアの7大都市を対象に、20世紀における都市の拡大がもたらした都市の温暖化について数値シミュレーションをおこなった。本研究は、総合地球環境学研究所プロジェクト「都市の地下環境に残る人間活動の影響」(代表・谷口真人)の一部であり、当該プロジェクトでは、これら7大都市における20世紀3時点のデジタル土地被覆データセットを作成している。このデータセットを地表面境界条件として気象モデルに入力し、数値シミュレーションで得られる地表面温度の変化傾向は、過去の地表面温度を記録していると考えられる地下温度の鉛直プロファイル(Taniguchi et al., 2009)との比較材料として用いられる。数値シミュレーションに用いられた気象モデルの詳細はIchinose(2003)に同じである。計算対象としたのは最も暑くなる季節の典型的な快晴静穏日(バンコク・マニラは3月末、その他の都市は7月末)である。計算の空間解像度は2kmである。20世紀前半と2000年との比較では、これらの都市の都心は2時点とも都市となっており、いずれの都市においても約1℃の地上気温上昇が見られた。一方、20世紀中庸から2000年にかけて水田から都市への急激な変化を経験したバンコクの北の郊外(都心から見て風下)では、この期間に2~3℃の地上気温上昇が見られた。ソウル、東京、大阪、バンコク、ジャカルタでは、海風の進入により、高温域が日中風下(内陸側)にシフトしていく様子が計算されている。

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