日本地理学会発表要旨集
2010年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: 602
会議情報

新潟県における寺社の分布
「新潟県の宗教空間」再考
*小田 匡保
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

 発表者は小田(2003)で、都道府県別・宗グループ別檀家数のデータをもとに日本の地域分類図を作り、そこからさらに日本の仏教地域区分図を作成した。本発表は、これを都道府県レベルで行なおうという試みである。
 都道府県レベルの寺社分布については、たとえば永幡(1983)や竹村(2010)の研究があるが、地域区分まで行なっているのは松井(1993)論文「新潟県の宗教空間」である。松井は、『新潟県宗教法人名簿』(昭和61年版)を主な資料にして、新潟県の宗教分布を分析している。すなわち、仏教系宗教法人(寺院)、神道系宗教法人(神社)それぞれの宗派別・系統別構成比に基づき、県内の市町村を類型化し、天理教教会・布教所の市町村別人口比の結果も合わせて、最終的に新潟県を6つの「宗教空間」に区分している。
 松井の研究は、仏教・神道・天理教を総合して新潟県を宗教面で地域区分しようという意欲的な試みであるが、3宗教の地域分類を統合して最終的に6つに地域区分するプロセスが不明である。また、そもそも3宗教の地域分類を統合する意義も考えてみる必要がある。仏教・神道それぞれで地域区分した結果を提示するほうが、よりシンプルで分かりやすいのではなかろうか。
 以上のような予察のもと、本発表では、松井の行なった研究を参考に、新潟県の寺社分布から仏教・神道それぞれの地域区分図を作成することを目的とする。資料は、松井の使用した昭和61年版『新潟県宗教法人名簿』の閲覧が困難であったため、国立国会図書館で閲覧可能であった昭和51年版を利用する。
 結果は、大会時に報告する。

著者関連情報
© 2010 公益社団法人 日本地理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top