日本地理学会発表要旨集
2011年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: 219
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日本で最も暑い京阪地域における夏季高温の実態調査と形成要因の解明
*高根 雄也大橋 唯太日下 博幸重田 祥範亀卦川 幸浩
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抄録
京阪地域における夏季高温の実態と形成要因を調査した.広域地上観測によって,京阪地域の内陸域に位置する枚方周辺や京都盆地の南部で特に高温となることが分かった.その後,高温要因を分析するために数値実験をおこなった.その結果,(i) 京都盆地の南部の大気境界層の昇温に対して,直下の地表面からの顕熱供給が約55%,(ii) 水平方向・上空からの顕熱輸送が残りの約45%寄与していることが分かった.(iii) 地表面から大気へと供給される顕熱輸送量をゼロにする実験,および後方流跡線解析によって,(ii) の要因として,総観規模での顕熱輸送と,フェーンに類似した顕熱輸送のメカニズムの存在が示唆された.これらのメカニズムはOhashi and Kida (2002a; b) で指摘されてきた熱的局地循環に伴う顕熱輸送のメカニズムとは異なる.
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© 2011 公益社団法人 日本地理学会
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