抄録
明治前期測量関東地方2万分1彩色地図は、『兵要測量軌典』に則って作成された。その緒論によると、フランス砲工学校の大部の教科書から小地(地形)図学と偵察学の必須の事柄を集録したことを示唆しているように見え、標記地図は一般に「フランス式の迅速測図」と云われているが、これまでこの教科書について明らかでなかった。フランス国立図書館で、3巻からなり合わせて1000ページ以上で、付図として図郭外に「視図」などの付いた標記彩色地図に似た彩色原図見本など、該当すると思われる砲工学校教科書、ルアーグルの『地形図学教程』を見かけたので報告する。