抄録
高度経済成長期以降,日本の都市域は丘陵地等に広く展開し、その結果、日本では1978年宮城県沖地震以降の大きな地震の度に,特徴的な被害が発生している。本報告では、まず、1.地震による丘陵地等における被害の特徴 を整理したうえで、2.改正・宅地造成等規制法による事前対策 の内容を紹介した。次に、事後救済の拡充と事前対策の促進との関係性など、3.仙台市における東日本大震災の被災宅地復旧支援と課題 をまとめた。最後に、1995年の発災後から土地利用変化を継続観察している神戸市郊外の住宅団地を事例に、4.神戸市における阪神・淡路大震災の被災宅地の変化と課題 を検討し、被災宅地の細分化とミニ開発の実態に即した対応策(制度設計の方向性)を提起した。