抄録
著者らは全国のアメダス観測点を,その周辺土地利用に基づき都市,農地,高地地点等に分類する試みを始め(09年秋季大会),また特に農地を代表できる観測点を「農耕地気候変動モニタリング地点」として選定・公表した(村上ほか2011:生物と気象)。農耕地周辺でも全国的に都市化が進行しており,そこでの気温とその変動は「バックグラウンド」とは異なることが示唆され,また代表地点の選択等で温暖化影響評価に有益ものとなった。本稿ではそれに引き続き,気温変動の季節的・地域性を明らかにし,その要因を大循環および土地利用変化の両面から考察した。