日本地理学会発表要旨集
2012年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: P014
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発表要旨
象潟岩屑なだれの移動・定置プロセスからみた流れ山の分布特性
*吉田 英嗣
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抄録
流れ山地形は,山体崩壊に伴う岩屑なだれがつくる堆積地形である.従来,流れ山の分布特性に基づき,岩屑なだれの移動・定置にかかわる数多くの議論がなされてきた.一方,岩屑なだれによる地形とそれをつくるプロセスとの関連性は,相補的なアプローチを通じてより明確になるといえることから,どのような場においてどのような流れ山がつくられるのか,という視点からの研究も重要である.そこで本研究ではこの立場に拠り,鳥海火山の象潟岩屑なだれを例に,岩屑なだれが流下・堆積した地形場と,その結果として形成された流れ山地形との対応関係を検討した.筆者がこれまでに主に扱ってきた山麓拡散型岩屑なだれの諸事例と比較して,象潟岩屑なだれはより複雑な流下プロセスを経験したと考えられる.したがって,象潟岩屑なだれの示す流れ山の分布特性は,多様な地形場にてあらわれる岩屑なだれの地形形成作用を理解するうえでの基礎資料となるといえる.
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© 2012 公益社団法人 日本地理学会
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