抄録
1.はじめに2012年3月、霧島屋久国立公園から独立する形で、屋久島国立が誕生した。屋久島国立公園は2005年の尾瀬国立公園以来、7年ぶりの新国立公園であり、30か所目の国立公園である。日本で初めて国立公園が指定されたのは1934年3月であり、雲仙、霧島、瀬戸内海の3公園が指定された。その後も指定は進み、現在の30か所まで数を増やしてきた。初期に指定されたのは日光や富士箱根など伝統的風景観に基づく名勝地や大雪山や阿蘇などに代表される原始性の高い山岳地域であった。その後は、火山地形など特色のある自然的景観が指定されるようになり、1970年以降には海中や湿原にも指定が拡大するなど国立公園の種類に多様性がみられるようになった。また、1957年には国立公園法が改定され現在の自然公園法が施行された。国立公園、国定公園、都道府県立自然公園からなる自然公園が指定され、自然環境の保護が推進されている。このように、時代の変化に対応してきた国立公園制度も1931年の国立公園法制定から約90年の年月が立ち、2010年に閣議決定された新生物多様性国家戦略2010で国立公園が取り上げられ、2011年の東日本大震災後、環境省が陸中海岸国立公園を中心に、被災地の自然公園を三陸復興国立公園(仮称)に再編する構想を明らかにするなど、国立公園が改めて注目され、再考する時期にきていると考える。そこで、本研究では日本の国立公園の現状を土地所有者別面積割合、ビジターセンターの状況などを踏まえ明らかにすることを目的とする。本研究では環境省が定める国立公園すべてを対象とし、考察を行う。2.国立公園の現状 日本の国立公園は知床国立公園に代表される国有地が大半を占めるものと、日光国立公園に代表される古くからの観光地で、なおかつ私有地が多いものとに分類することができる。また世界遺産にも指定されているものもあり、多種多様な国立公園が指定されている。そのため、全ての国立公園をアメリカ型の管理体制で管理することは容易でなく、イギリス型など他の管理方法も参考にしていく必要があるだろう。また、ビジターセンターに関しては全て環境省が管理運営するものだけでなく、県が運営しているものもあり、こちらも外国人の来館が多いところや地元に住む幼児、児童が親と一緒に訪れる割合が高いセンターがあるなど多種多様であることが分かる。