日本地理学会発表要旨集
2012年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: 704
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発表要旨
モンゴル永久凍土の温度動態
*石川 守
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抄録

地球温暖化により永久凍土の融解が進行していると多方面でいわれているが、地上から目視できない永久凍土が衰退しているという直接的な証拠はほとんど示されていない。ほとんどは多くの仮定を含んだ気候モデルの出力や地表面にみられる間接的事象などによって推測されているに過ぎない。この現状に対し、国際永久凍土学会は、①21世紀初頭における永久凍土温度を観測に基づいて可能な限り多地点で示すこと、②観測体制を整備し恒久化すること、③観測結果を様々な分野で共有し、次世代研究者に引き渡すことなどを目指し、全球永久凍土温度観測プロジェクトを多国間協働で推進している.演者らは、北東ユーラシア永久凍土帯の南限境界域(モンゴル)にて、10年以上過去の観測値を収集するとともに、永久凍土帯のほぼ全域を網羅するような80以上の地点で永久凍土温度を監視する体制を整えた。本発表では、これまでに得た48地点でのデータに基づき、国土規模での永久凍土温度の現状および過去2~30年規模での衰退傾向について報告する。

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© 2012 公益社団法人 日本地理学会
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