日本地理学会発表要旨集
2014年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: P032
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発表要旨
Structure from Motionによって生成したDSMの応用可能性
西表島仲間川下流域のマングローブ林の事例
*内山 庄一郎宮城 豊彦大友 萌子中川 理絵
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抄録
背景
複数時期の空中写真からその変化を簡易,迅速に抽出する事ができるならば,その技術は自然災害発生時の広域における被災状況把握に有用と考える.この観点から,二時期の空中写真より生成したオルソ画像およびDSM(Digital Sruface Model: 数値表層モデル)を用いた差分解析の研究を進めている.本稿を含む一連の研究では,空中写真スケールで見た場合の地表面形態が比較的単純なマングローブ林を対象として,二時期の比較から台風による被害森林域の抽出を目指している.先行研究として,1978年と2012年に撮影された空中写真からSfM (Structure from Motion) によってオルソ画像およびDSMを作成し,被害エリアの目視判読と被害状況の予察を実施した(内山・宮城,2014).SfMとは,複数の写真からそれらの撮影位置を推定し,撮影対象の三次元形状を復元する技術である.これによると被害エリア周辺の樹高の変化や林床の露出が確認された(図1).今回は,これらを確認すべく現地調査を行い,さらにUAV撮影,GNSS観測を行ったのでこの結果を報告する.

対象地域
沖縄県八重山郡竹富町,西表島東南部の仲間川下流域を対象とした.この地域では,2006年9月と2007年9月,10月に風速30m毎秒を超える台風が通過し,マングローブ林内において倒木等の被害が生じた(斎藤・他,2009).

手法・今後の展開
現地にて倒木の状況を確認し,小型UAV(無人機)で低空空撮撮影を実施し(図2),地上基準点を得るためにGNSS測量を行った.また,オートレベルで地形断面測量を行った(図3).今後,空中写真およびUAV撮影写真からSfMで作成したDSMと現地測量結果との比較、検証を行い,SfMにより生成されるDSMの精度検証を行う.
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© 2014 公益社団法人 日本地理学会
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