日本地理学会発表要旨集
2014年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: 203
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発表要旨
東京都心における外資系企業本社の立地傾向
-外資系企業誘致に向けて-
*佐久間 美帆後藤 寛
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抄録
 日本における外資系企業の特徴アジアヘッドクォーター特区政策をはじめ,これからの成長戦略のひとつとして外資系企業の誘致が掲げられている.では誘致のためにはどのような条件が必要なのか,そもそもこれまで外資系企業の本社はどのような条件を求めて立地してきたのかを検証する必要があるだろう.そこで本研究では東京都心部に焦点をあてて外資系企業本社の立地傾向を読み解き,それらの求める立地や周辺環境の要因から,誘致のための環境整備の条件,あり方を明らかにすることを目指す.帝国データバンク社によれば,外国資本が25%以上を占める外資系は日本に3189社あり,その本社の75%は東京に立地している.東京都内で主要企業の本社立地が集中する地域といえばまず丸の内・大手町を有する千代田区であるが,外資系企業についてだけみると港区に立地する割合が高いことが指摘できる.これが何らかの周辺環境条件のための積極的立地なのか,千代田区に新規に進出するのが難しいための消極的立地かを明らかにする.
 外資系情報・システム・ソフト業の本社分布外資系企業の存在感が際立つのが情報・通信業なかでも情報・システム・ソフト業(359社)と医薬品業(63社)である.これらに着目して本社の立地分布をみると,西新宿あるいは渋谷・恵比寿地区への立地が目立っている.この要因についても,いくつかの代表的企業の本社立地の変遷と共に検証を進めている. 
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© 2014 公益社団法人 日本地理学会
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