抄録
能登半島北岸において空中写真判読および現地踏査より更新世・完新世段丘面の分類図を作成した。更新世段丘の内縁高度をポーリン気圧高度計により測量し、完新世段丘面は斜面測量器を用いて縦断面の測量を行った。こうして得られた更新世・完新世段丘面の旧汀線高度分布を対比すると、更新世段丘面が分類できなかった馬緤から町野の区間において、完新世段丘は西側へ連続的に高度を下げており、馬緤と町野の更新世段丘面の高低と矛盾しない。よってこれらの地域では完新世における傾動が更新世段丘面の傾動と対比できる可能性がある。