抄録
阪神大震災から20年,そして東日本大震災から4年が経った.神戸の市街地は震災から20年を経て建物等の復興は進んだ.一方,仙台を含む東北地方の被災地では,復興が停滞し,住民が政府へ復興の加速を願っている地域もまだ多く残されている.そこで,神戸大学附属中等教育学校では2015年度より神戸と仙台の被災地間の交流を始めた.2015年12月に東日本大震災に関する体験型プログラムを実施した.
(1) 東北学院大学と連携した荒浜周辺視察と仙台平野における津波堆積物ボーリング調査体験
(2) 私立尚絅学院中学校・高等学校訪問・授業体験・交流活動
(3) 東北大学リーディング大学院「グローバル安全学トップリーダー育成プログラム」と連携した減災アクションカードゲーム体験
(4) 宮城県多賀城高等学校訪問・七ヶ浜周辺視察・授業体験・交流活動
(5) 公立宮城大学訪問・交流活動
これらの活動の結果,被災地に対する思いがより身近なものになるとともに,被災地の住民にしかわからない復興への考えや想い,葛藤の一端に触れることができた.また,ボーリング調査体験から,東日本大震災を自然科学的観点から捉えることができた.