抄録
本研究は、モンゴルの草原域における温室効果ガスの時空間分布を把握するために、
日本の温室効果ガス観測衛星「いぶき」(GOSAT)によるSWIR L2プロダクトデータを
用いた解析を行い、東アジアにおけるXCO2時空間分布の検討を行った。その結果、東
アジア広域においては、地域間のXCO2濃度の年間差異が8ppmであり、中では中国内陸
においては、XCO2濃度が最も高く示され、東アジア地域における温室効果ガスの主な
排出源地域であることが示された。また、XCO2濃度の年々変動及び季節変化から見る
と11月~5月間における濃度値が最も高く、6月~9月の期間においては最も低い季節
性が示された。総じて、2009年4月から2015年8月までのデータ解析から、モンゴルを
含める東アジア地域においては大気中の二酸化炭素の総量が年平均約2ppmの増加傾向
が示された。