日本地理学会発表要旨集
2017年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: S1105
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発表要旨
地理教育支援における非営利組織の社会的役割
*田村 賢哉
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抄録

2016年12月に中央教育審議会より新設される地理歴史科目の具体的な内容が提示された。これまでの「地理A・地理B」という構成を抜本的に変え、「主体的・対話的で深い学び」を意図した授業の実施を強化することで、「暗記科目」という印象からの脱却が期待できる。  新しい教育は理念として優れている一方、先進的であるために教員のスキル修得が追いつかず、導入の軋轢が存在しているのも事実である。新設の地理総合」も例外でなく、地理教員不足や教員のスキル不足が懸念されている。 こういった課題に対し、「地理総合」導入に向けた各方面からの取り組みが求められる。学術機関としては日本学術会議地理教育分科会を中心に地理教育の学術支援を検討しており、多くの地理学研究者の参加が望まれる。また国土地理院でも2015年にから国土地理院のコンテンツを利用した教材開発などの地理教育支援の取り組みを実施している。民間非営利組織では、NPO法人 伊能社中が2011年からGISを中心に地理教育支援を展開してきた。 本発表では、民間非営利組織として伊能社中における地理教育支援の取り組みを紹介し、ボランティアとしての地理教育支援の可能性について整理する。

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