主催: 公益社団法人 日本地理学会
会議名: 2019年度日本地理学会秋季学術大会
開催日: 2019/09/21 - 2019/09/23
米代川左岸,河戸川付近の沖積平野の水田地帯には,様々な形態の小丘が分布し,独特の景観を形成している。これらの小丘は,十和田火山由来の軽石礫で構成されている.この地域は,かつて春季の水田に水を張ると軽石が浮かんでくることがあり,そのため農耕の邪魔になるので軽石を古墳のように積んであるとしている.この付近に居住している古老の聞き取り調査から,この小丘は大正年間にすでに存在していた.したがって,小丘の形成時代は,大正時代以前にさかのぼる可能性がある.その当時は,ブルドーザーなどの土木機械がなかった時代であり,鍬や畚などの農具を使用し,長期間に渡って少しずつ盛られ,現在のような地形景観を形成したものと考えられる.なお,地元の人たちは「盛」,「田の盛」,「軽石盛」と呼んでいる.町田ほか(1986)は,「軽石塚」と称している.