日本地理学会発表要旨集
2020年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: 106
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発表要旨
九十九里平野南部、茂原市における数値モデルに基づく水害要因の検討
*伊藤 有加Ouyang Mao徳永 朋祥
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抄録

千葉県、九十九里平野の南部に位置する茂原市では、過去に繰り返し水害を経験してきた。最近では、2004年、2013年、2019年10月の台風によって、市の南部を流れる一宮川が氾濫しその中流域に位置する市街地が浸水した。また、この地域は地盤沈下が著しい地域としても有名である。そのため、地盤沈下による微地形変化の発生に伴う排水不良なども懸念されてきた。本地域の水害が地盤沈下の影響かどうかを適切に判断するためには、どのような条件が水害に影響を与えている可能性があるのかを検討していく必要がある。本研究では、実際に水害が発生した年の降水量、蒸発散量、および表面流と地下水流、地形、地質を考慮した洪水モデルを開発し、2004年、2013年、2019年の洪水範囲および浸水深、河川水位、地下水位を計算することによりこの地域の浸水特性について検討した。これらの結果から、この地域の浸水は、局所的な地形条件と地下水の特性が主に影響している可能性があることが示唆された。

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