日本地理学会発表要旨集
2020年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: 718
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発表要旨
2019年台風19号による宮城県丸森町における斜面崩壊のGIS解析
*佐藤 浩宇根 寛
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抄録

2019年台風19号による豪雨は,宮城県丸森町において,花崗岩や花崗岩の強風化域で生産されるまさ土やコアストーンが斜面や渓床から再移動・流出して土石流となり著しい被害を与えた。関係官署が提供する降雨データによる3時間最大雨量,国土地理院が提供する斜面の崩壊範囲と数値標高モデルから,斜面崩壊のGIS解析を行った。その結果,以下のことがわかった。①3時間最大雨量については,180-200mmよりも200-220mmのほうが崩壊面積率は高い。前者では約0.1%,後者では約0.06%の崩壊率であった。80-100mmと120-140mmにも弱いピークがある。②傾斜角については,弱いピークが散見されるが,10°-45°まで面積率が0.03%以上と著しい違いはみられない。③斜面方位については北東を中心に方位の偏りがあり当時の風向との比較が必要なことを示唆している。④水平曲率については,凹部で面積率が高いことは先行研究の指摘どおりであった。

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