日本地理学会発表要旨集
2021年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: 120
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発表要旨
東京都区部における人口密度分布の変化と特徴
*草野 邦明
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抄録

本発表では,東京都区部を対象として,2010年と2015年の人口密度の変化と特徴を捉えることで,わが国最大の都市内の人口構造を考察した。

分析においては, 2010年と2015年の2時点における1ha当たりの粗人口密度を算出し,新橋駅を中心に5km圏,5〜10km圏,10km圏外の3距離圏別における人口密度の水準と人口密度上昇・低下地区の関係をとらえた。さらに,3距離圏別の人口密度の変化量に対して,人口,世帯および住宅の側面でどのような特徴を有するか考察した。

2010年と2015年の町丁目別人口密度の変化量人口密度から,人口密度が上昇している町丁目は全町丁目の62.7%を占める一方,人口密度が低下している町丁目,34.7%であった。これら人口密度が上昇している町丁目では,全体の15.7%を占める町丁目で20.0人/haと人口密度が大幅に上昇している。対して,人口密度が20.0人以上/ha低下した町丁目は 1.7%であった。また,距離圏別に見ると,人口密度が40.0人以上/haと大幅に上昇した町丁目は, 5km圏に約5割が集中する一方,人口密度が20.0人/ha以上低下している町丁目は10km圏外に半分近くが見られた。

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