現在の世界における人口分布についてみると、アジア地域への集中が認められる。そのアジア地域では、標高10m未満の臨海地域、すなわちLECZ(Low Elevation Coastal Zone)に多数の都市が立地しており、人口の集中が認められる。日本においても、そうした傾向は確認されている。ただし、日本における人口の垂直的分布を明らかにしたデータとしては、2000年の国勢調査をもとにしたもの(日本統計協会2010など)が最新であり、以後の動態については示されていない。
本発表では、1995年・2000年・2005年・2010年・2015年の国勢調査をもとに明らかにした日本列島における人口の垂直的分布を提示する。このデータは、人々による居住地選択の傾向、自然災害に対する脆弱性などについて検討するうえでの重要な基礎資料となり得ると考える。