主催: 公益社団法人 日本地理学会
会議名: 2022年度日本地理学会秋季学術大会
開催日: 2022/09/23 - 2022/09/25
中国は改革開放政策の下で、今日まで高い経済成長を遂げてきた。しかし、農業は厳しい状況に置かれており、家庭請負制度下の小規模農家にとっては、市場への参入が難しくなった。小規模経営農家は、農産物販売や生産資材の購入において、企業等の農外資本に対抗することが非常に難しく、常に"弱者"の立場に置かれている。
このような状況を解決するために、農業組織「農民専業合作社」(以下、合作社と略す)の設立が中国政府によって推進された。合作社は、生産性や品質の向上等を図り、小規模農家の競争市場へ参入をサポートすることができる。中国政府は、2006年10月に「農民専業合作社法」を成立(2007年7月1日から実施)させ、法人格を持った合作社が誕生し、合作社数も大幅に増加した。合作社の運営などが法律で保障されており、合作社の持続可能な発展に有利であると考えられる。
本稿では、浙江省湖州市を事例に農民専業合作社の機能と組織形態を検討し、その特質と課題を明らかにした。