主催: 公益社団法人 日本地理学会
会議名: 2024年日本地理学会秋季学術大会
開催日: 2024/09/14 - 2024/09/21
わが国における生活用水(上水道の配水量)の気象環境応答に関する調査は東京等の大都市に限られているものの、夏季の気温上昇が配水量を増加させることを報告している。一方で、夏季の気温上昇に加え、冬季の気温低下も配水量を増加させる地域があることを長野県や新潟県において明らかにした。そこで本研究では、対象地域を東日本に広げ、配水量の気温環境応答特性の地域分布を明らかにするとともに、冬季の気温低下による配水量の増加要因を解析する。その結果、中部山岳域ならびに日本海側の多くの市町村において、冬季の気温低下も配水量を増加させる傾向にあることがわかった。冬季の配水量の増加は、アンケート調査に基づく解析の結果、融雪散水の頻度、浴槽の注水回数、トイレ回数の増加に起因する可能性があることが示唆された。