日本地理学会発表要旨集
2024年日本地理学会秋季学術大会
セッションID: 205
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局地風“由良川あらし”の風速と水平気圧傾度の関係性
肱川あらしとの比較
*今枝 侑香重田 祥範
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抄録

京都府北部由良川では,寒候期を中心に「由良川あらし」という局地風が川に沿って吹走する.本研究では,三浦(2020)で用いられている水平気圧傾度に着目し,由良川あらしの風速と水平気圧傾度の関係性を明らかにした.そのうえで,同時に実施している肱川あらしの観測データと比較した.

 その結果,以下のことが明らかになった.(1)由良川・肱川の河口の風速を比較すると,大きさは同程であること.(2)福知山盆地が由良川河口よりも高圧(1.5hPa以上)になれば風速も大きく(6.0m/s以上)なる.

 以上のことから,由良川あらしの発達には,福知山盆地において夜間の放射冷却による気温の低下いわゆる“盆地内の高圧化”が重要であるといえる.

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