主催: 公益社団法人 日本地理学会
会議名: 2025年日本地理学会春季学術大会
開催日: 2025/03/19 - 2025/03/21
本研究は、時間地理学における最短時間パスの考え方を応用して, 人の移動の制約となる公共交通機関の運行サービス水準を計測する手法を検討し, 時系列および異なる交通機関間での公共交通機関の運行サービス水準を比較検討することを目的とする.
任意の2地点間の移動時間はある時刻における鉄道・バス等の発車時刻までの待ち時間と乗車時間との和とし,運行サービス水準は1日の任意の時間帯における1分単位の移動時間の合計とする.
時系列での比較計測として, 2011年の東日本大震災で被災した三陸地域の公共交通機関の復旧状況について計測した結果, 概ね復旧が完了した2015年時点の主要都市間の運行サービス水準を震災前時点と比較すると, 三陸地域の公共交通機関のサービス水準は, 概ね震災前の水準に回復していることが明らかとなった.
東京オリンピック開催に向けて2020年に運行を開始した東京BRTと既存の交通機関との交通機関間の運行サービス水準を比較計測した結果, 東京BRT の主要区間である新橋~国際展示場間は既存路線バスより運行サービス水準が高く, 新交通システムや鉄道の乗継に匹敵する運行サービス水準を確保していることが明らかとなった.