日本地理学会発表要旨集
2025年日本地理学会春季学術大会
セッションID: 736
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緊急撮影空中写真にもとづく能登半島豪雨災害による地形変化
*海津 正倫
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抄録

中小河川流域における土砂災害等の場所的特性を把握することを目的として,2024年9月に能登半島地域で発生した豪雨災害について国土地理院によって緊急撮影された空中写真を用いて,山間地域の崩壊地等の分布や谷底平野における氾濫状況・土砂の堆積などの実態を把握した.また,2024年1月に発生した地震による崩壊地の分布と豪雨災害の土砂崩壊との関係についても検討した. 豪雨災害では地震による崩壊地が拡大したほか,新たに多数の崩壊・地すべりが発生し,その一部は流木をのせて土石流として各河川の谷底平野に広がった.谷底平野における土砂の堆積は広く見られるが,河道の屈曲部付近などで堤防や河岸の損傷を伴って低地に向けて洪水流が流れ,土砂や流木の堆積を引き起こした例が多い.また,地震による堤防・護岸の損傷箇所の復旧が進んでいない所から,洪水流が堤外地に広がったという場所も認められる.

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