日本補綴歯科学会誌
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◆企画:第126 回学術大会/イブニングセッション4 「Back to the basics −ゴシックアーチは本当に必要なのかー」
Back to the basics ~ゴシックアーチは本当に必要なのか~
兒玉 直紀熱田 生松丸 悠一松田 謙一
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2018 年 10 巻 1 号 p. 16-22

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抄録

 全部床義歯治療を成功させるうえで咬合採得の占める割合は非常に高く,なかでも水平的顎間関係の決定には客観的な指標が乏しく苦慮していると推察される.ゴシックアーチ描記装置は,下顎の限界運動を記録できる装置であり,水平的顎間関係の決定法の一つとして長い間用いられてきた.しかし,近年その利用数は減少しているように思われる.さらに米国の教科書ではゴシックアーチ描記法(以下,GoAとする)の記載がなくなり,徐々に教育されなくなっている.本論文では,1)GoAの有用性とその意義,2)GoAの問題点と注意点,3)咬合採得のゴールをどこに定めるか,について解説し,全部床義歯治療におけるGoAの必要性について改めて検討したい.

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© 2018 公益社団法人日本補綴歯科学会
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