2018 年 10 巻 1 号 p. 57-62
超高齢社会である本邦では高齢者数は増加しており,無歯顎者の割合は依然高い.さらに骨吸収の少ない顎堤は減少し,むしろ顎堤が高度に吸収し,可動粘膜が歯槽頂を覆っているような難症例が増加している.このようないわゆる難症例には,咀嚼圧に対して緩圧効果を有する軟質リライン材が有効である.軟質リライン義歯の臨床的有用性について,これまで種々の研究成果が報告されている.その成果もあり,平成28年度の診療報酬改定では軟質材料の適用が有床義歯内面適合法に新たに導入された.本稿では軟質リライン材の種類,材料学的特性,機能的効果および軟質材料を用いる有床義歯内面適合法などについて解説する.