日本補綴歯科学会誌
Online ISSN : 1883-6860
Print ISSN : 1883-4426
ISSN-L : 1883-4426
◆企画:エビデンス & オピニオン 第2回
真実を求めて とくに咬頭嵌合位に関して
藍 稔
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 10 巻 3 号 p. 190-195

詳細
抄録

咬頭嵌合位はあらゆる下顎運動の起点であり終着点で,日常頻繁に使われる.それは前後左右にごく狭い範囲にあり,その変位を防いでいるのが咬頭である.咬頭嵌合位は歯の咬耗や欠如によって変位したり失われたりする.その診断や修復には基準として中心位が使われる.しかし,中心位の概念が近年の米国の定義では変更されている.その背景を考察した結果,新たな定義による中心位がGysi時代の下顎位に近似すると判断した.さらに,歯の接触や咬合支持域の状態によって咬合力が加わった時に起きる咬頭嵌合位の変化の観測から,多数の均等な咬合接触の重要性が再確認された.

著者関連情報
© 2018 公益社団法人日本補綴歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top