2018 年 10 巻 3 号 p. 239-242
症例の概要:患者は69歳男性.歯の欠損と咬耗により咬合高径の低下および咀嚼障害を生じていた.安静空隙量,セファロ分析および診断用ワックスアップを参考に,プロビジョナルレストレーションおよび治療用義歯を用いて咬合挙上を行った.この状態にて,歯内および歯周治療を行い,下顎位の安定を確認後に補綴装置を装着した.
考察:プロビジョナルレストレーションおよび治療用義歯を用い,機能的に問題のない下顎位を模索した後,補綴処置を行ったことで,機能障害,支台歯の異常および補綴装置の破損が無く経過していると考える.
結論:咬合挙上を行う際に,可逆的治療により下顎位の決定を行うことの重要性が示唆された.