2018 年 10 巻 4 号 p. 322-326
超高齢化が進む本邦では,健康寿命の延伸が重要課題と認識されている.そのなかで,口腔の健康が全身状態に大きく影響していることについての報告が数多くなされてきている.特に,歯を喪失した後に,適切な咬合を回復することが全身的栄養状態や認知症の発症頻度,さらに生命の生存率に関わっていることなどが示されている.補綴歯科治療の重要性が明らかとなり,期待されている.
われわれの日常生活と同様に,歯科医療の分野においてもデジタル化が急速に進んでいる.インプラント治療に関わるデジタル技術の開発と応用も同様に変化している.インプラント治療において,インプラント体埋入に関わる概念が顎骨主導型から補綴装置主導型に変容した.補綴装置主導型インプラント治療のワークフローはフィルム媒体をもちいたアナログ的手法からデジタル化した.歯科医療におけるコンピューター支援はさらにハイスピードで進んでいくものと考えられる.