日本補綴歯科学会誌
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技術紹介
東北大学歯学部におけるCAD/CAM冠模型実習システムの導入
勝田 悠介山田 将博石橋 実奥山 弥生江草 宏
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2018 年 10 巻 4 号 p. 335-344

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抄録

目的:日本では高頻度の治療になりつつあるCAD/CAM冠であるが,歯学部におけるその教育システムは未だ確立途上である.東北大学歯学部では,平成28年度よりCAD/CAM冠治療の体系的な理解を目的とした模型実習を取り入れた.本稿では,その実習システムについて教育効果の考察を加えて紹介する.

材料と方法:平成28年度4年次学生44名を対象に行ったクラウンブリッジ模型実習において,上顎左側第二小臼歯の支台歯形成,精密印象採得,作業用模型の製作・スキャン,パソコンを用いた冠の設計,ハイブリッドレジンブロックの切削加工を一連の実習として実施した.模型実習終了時に採点用ルーブリックを用いたCAD/CAM冠の支台歯形成技能評価を行った.一方,このCAD/CAM冠実習を経験していない同年度6年次学生50名を対象に同様の技能評価を行い,両群の結果について比較検討した.

考察:4年次学生群の平均総得点数は6年次学生群と比較して有意に高かった.特に,咬合面の削除量,辺縁の連続性・幅・位置において,4年次学生群は6年次学生群より優れていたことから,学生自ら形成した支台歯を用いたCAD/CAM過程の経験は,支台歯形成技能の向上に寄与する可能性が示唆された.

結論:本模型実習システムは,体系的なCAD/CAM冠治療ワークフローの理解を深めるとともに主体的な学修意欲を向上させ,良好な教育効果をもたらすと推測された.

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