日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
上顎顎欠損に対し連続ローチクラスプを支台装置とした顎義歯による補綴処置の1症例
吉田 兼義
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2018 年 10 巻 4 号 p. 349-352

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抄録

症例の概要:53歳男性.上顎左側口蓋部多形腺腫摘出術後の顎義歯製作のため,本学口腔外科より依頼され当科を受診した.上顎左側に鼻腔および上顎洞と交通する顎欠損が生じたため,支台装置としてコバルトクロム合金製連続ローチクラスプを採用した充実型栓塞子付き上顎顎義歯を製作した.顎義歯装着後1年7カ月経過時に支台装置破折が生じたため再製作を行った.

考察:再製作した顎義歯は装着後4年以上経過したが支台歯に異常は認めず,支台歯に対する側方力のコントロールが良好であったと考えられる.

結論:上顎顎義歯の支台装置として連続ローチクラスプを用いることは支台歯への影響を軽減し,顎義歯の長期安定に有効であった.

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© 2018 公益社団法人日本補綴歯科学会
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