2019 年 11 巻 1 号 p. 60-63
症例の概要:患者は初診時41歳女性で,左側舌口底癌に対する部分切除術および軟組織再建術施行後,下顎左側臼歯部欠損による咀嚼機能の改善を目的に紹介された.自家骨移植による顎骨再建,インプラント埋入,舌機能訓練,補綴装置形態の最適化等を包括的かつ段階的に行い,最終補綴装置としてスクリュー固定式のインプラント補綴装置を製作し,咀嚼機能の回復を行うことができた.
考察:本症例のように広範な顎骨欠損や舌機能障害を伴う欠損補綴治療では,専門各分野が包括的対応を行うことにより,咀嚼機能の回復が実現できると考えられる.
結論:部分切除術後の患者に対するインプラント補綴治療を行う上で医療連携の重要性が示唆された.