2019 年 11 巻 1 号 p. 64-67
症例の概要:患者は60歳男性.右口腔底癌(扁平上皮癌,T2N0M0)に対して右口腔底癌辺縁切除術,両側頸部郭清術,下顎骨プレート再建術ならびに左前腕遊離皮弁術を施行された.術後より咀嚼困難に加えて,発語困難感や審美不良,口唇閉鎖困難による流涎を認めた.左右大臼歯部へインプラントを埋入し,オーバーデンチャーを装着することで摂食機能の改善を図った.
考察:義歯装着により,審美・構音機能に比べて,とくに左右大臼歯部での咀嚼機能に改善が認められた.|5は義歯装着後約8カ月に自然脱落したが,増歯・修理にて義歯を継続使用できている.
結論:インプラントオーバーデンチャーの装着により,摂食機能が改善された.