日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
負担能力の低下した支台歯を残根上とした部分床義歯で過大な咬合力に対応した症例
村上 奈津子
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キーワード: 部分床義歯, 根面板, 咬合力
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2019 年 11 巻 1 号 p. 68-71

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抄録

症例の概要:46歳男性.下顎臼歯部と上顎前歯部のブリッジ脱離による咀嚼困難および審美不良を主訴に来院した.多数歯に及ぶ失活歯,二次う蝕,太いポストによる負担能力の低下した支台歯に対し,過大な咬合力に対する歯根破折のリスクを考慮した結果,選択的に根面板を用いた部分床義歯を製作した.

考察:支台歯の負担能力を考慮した部分床義歯の装着により,残存歯の過重負担が改善し,咀嚼能力の改善と患者の高い満足度を得る事ができた.

結論:過大な咬合力を有する患者への,負担能力が低下した残存歯への対策として,根面板を用いた部分床義歯による補綴治療を行うことで良好な結果を得ることができた.

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© 2019 公益社団法人日本補綴歯科学会
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