日本補綴歯科学会誌
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◆企画:「上顎無歯顎のインプラント補綴 固定性 vs. 可撤性 読後感」
誌上ディベート 上顎無歯顎のインプラント補綴 固定性 VS. 可撤性を読んで:可撤性上部構造を主に選択している立場から
前田 芳信
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2019 年 11 巻 3 号 p. 233-238

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抄録

 今回のディベートを読んで上顎無歯顎症例に対する固定性,可撤性のインプラント上部構造を選択するうえでの重要なポイントが理解できた.同時に両者に共通する点として以下の点を抽出してみた.

•患者の希望,それまでの治療経験,その治療に対する満足度,不満な点
どこまでの満足度を求めているかを知ることが大切

•満足度の変化や受け取り方,項目の軽重は個々の症例によって異なる

•治療方法の欠点,限界については事前に十分に理解してもらう必要があるが,現実にはそれが難しい

• 治療計画においてはトップダウントリートメントの考え方が大切であり,無歯顎では有床義歯の考え方が基本となる

また,固定性,可撤性の共通の利点を活かしかつ長期的な変化への対応に適した2次固定法の利点に関して再確認することができた.

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© 2019 公益社団法人日本補綴歯科学会
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