日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
下顎大臼歯に対して意図的再植術後に単独冠補綴処置を行った1症例
藤井 孝政
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2019 年 11 巻 3 号 p. 263-266

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抄録

症例の概要:初診時61歳の男性.下顎右側第一大臼歯の咬合痛を訴え来院した.下顎右側第一大臼歯根尖性歯周炎および骨縁下に及ぶ歯質欠損による咀嚼障害と診断され,保存のため意図的再植術を行い,術後4か月後にハイブリッド型レジンジャケットクラウンによる補綴処置を行った.

考察:装着10年後において問題は生じていないが,ハイブリッド型レジンは金属やセラミックと比較して咬合状態の経時的変化や光沢の消失などが生じやすく,今後もそれらを念頭に置いたリコール時の検査が重要と考える.

結論:意図的再植術により保存困難と判断された下顎大臼歯を保存し,単独冠修復を行い,長期にわたり患者の満足を得ることができた.

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© 2019 公益社団法人日本補綴歯科学会
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