2019 年 11 巻 4 号 p. 315-320
現在,インプラント治療は,長期の良好な予後が期待できる欠損修復法の1つの選択肢である.また患者の高度な審美回復への要望に対しても,CAD/CAMを用いたオールセラミック上部構造の臨床応用は良好な結果を獲得している.特に機械的強度,審美性,生体親和性に優れるジルコニアは,インプラント治療への応用では,主にスクリュー固定式とセメント固定式の2つの固定性上部構造に用いられている.上顎前歯部修復ではそれぞれ上部構造の固定様式によりインプラント埋入位置や方向,上部構造の形態が異なり,審美性において異なる臨床結果を示し,スクリュー固定式ではインプラント埋入方向が限定される.