2019 年 11 巻 4 号 p. 321-326
骨造成の目的は咀嚼機能の回復に必要な骨量の獲得だけではなく,審美性や清掃性の向上のためにも行われる.この際,さまざまな骨造成法の中から欠損形態に適した手法を選択する必要がある.骨欠損形態は周囲が骨壁に囲まれた内側性の骨欠損,外側に骨造成が必要になる水平性と垂直性の骨欠損に大別することができる.水平性,垂直性の骨造成は内側性に比べ周囲骨からの骨形成細胞などの供給が得にくい.一方で,口唇圧や咀嚼圧などの外圧に影響をうけるため,造成時の形態を維持するための工夫が必要となる.本稿ではさまざまな骨欠損形態における骨造成法の選択基準について,症例提示と文献レビューを通して考察する.