日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
前後的すれ違い咬合への移行を考慮しインプラント補綴により機能回復を行った症例
奥村 暢旦
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2019 年 11 巻 4 号 p. 439-442

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抄録

症例の概要:患者は59歳女性.下顎両側臼歯部欠損による咀嚼困難のため来院した.前後的すれ違い咬合に移行するリスクが極めて高いと判断し,インプラントによる咬合支持の回復と,残存歯による適正なアンテリアガイダンスの付与を目的に補綴治療を行った.

考察:欠損の拡大により治療の難易度が高くなることを理解し,顎位や咬合平面の是正など積極的な治療の必要性を患者と共有できたことが,術後の安定につながったと考えられる.

結論:欠損の拡大や補綴的難症例への移行リスクがある症例に対して,プロビジョナルレストレーション等を用いて検討を行い,適切な顎位の設定とアンテリアガイダンスの確立ができたことで良好な予後が得られた.

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© 2019 公益社団法人日本補綴歯科学会
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