日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
複数の主訴に対して補綴装置の設計を考慮し改善を図った一症例
堤 一輝
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2019 年 11 巻 4 号 p. 435-438

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抄録

症例の概要:59歳の女性.咀嚼時の義歯動揺による咀嚼困難,上顎義歯前歯舌側部に舌が触れることによる違和感,維持装置・人工歯による審美不良を主訴に来院.欠損部の一部にブリッジを選択し,上下顎部分床義歯を製作した.

考察:前歯部欠損部に対しブリッジを選択したことで審美・感覚障害を,義歯における大連結子の設計により感覚障害を改善できたと考える.また,大連結子は口蓋前・後方を被覆しない形態のため,支台装置にミリングテクニックを用い義歯の安定性は向上し咀嚼障害を改善できたと考える.

結論:各々の障害の要因に対する解決策として補綴装置の設計を考慮し,その要因を取り除いたことで良好な結果が得られた.

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© 2019 公益社団法人日本補綴歯科学会
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