日本補綴歯科学会誌
Online ISSN : 1883-6860
Print ISSN : 1883-4426
ISSN-L : 1883-4426
専門医症例報告
ピエゾグラフィを用いて口腔機能回復した一症例
小室 聖子
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 12 巻 1 号 p. 67-70

詳細
抄録

症例の概要:患者は58歳の男性.咀嚼および発音時における下顎全部床義歯の不安定を主訴に当科を来院した.口腔内検査では,下顎に著しい顎堤吸収と2本のインプラント支台を認めた.ピエゾグラフィを利用し,インプラントオーバーデンチャーによる補綴を行い口腔機能の回復を図った.

考察:顎堤吸収が著しく義歯の維持が困難な症例において,ピエゾグラフィの応用によって口腔周囲筋や舌運動と調和した位置への人工歯排列と適切な義歯床研磨面形態を付与した機能的な義歯を作製することができ咀嚼機能の回復が得られたと考えられる.

結論:ピエゾグラフィを応用したことで高度な顎堤吸収症例に対して良好な予後が得られ,患者の満足につながった.

著者関連情報
© 2020 公益社団法人日本補綴歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top