2020 年 12 巻 1 号 p. 71-74
症例の概要:67歳の男性.義歯不適合による咀嚼困難を主訴として来院した.咬合支持の喪失とそれに伴う咬合高径の低下・咬合平面の乱れを認め,治療用義歯により咬合挙上し咬合再構成を図った後,最終補綴治療を行った.
考察:本症例では,臼歯部咬合の喪失に起因した咀嚼障害も認めたため,治療用義歯により咬合支持の回復と咬合再構成を図った.最終義歯は,治療用義歯を参考としつつ,リジッドサポートとさらに残存歯の負担軽減を考慮し設計した.その結果,咀嚼スコアの上昇と患者の高い満足度が得られ,また長期的な安定を得ることができた.
結論:治療用義歯により咬合再構成を図った後,最終補綴を行い,良好な結果を得た.