日本補綴歯科学会誌
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◆企画:第128 回学術大会/シンポジウム3 「認知症の現状,補綴歯科治療と今後の研究展開」
高齢者の認知機能と口腔機能
上田 貴之釘宮 嘉浩堀部 耕広
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2020 年 12 巻 2 号 p. 129-134

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抄録

 高齢者の口腔機能が低下した様子を示す用語として,オーラルフレイルと口腔機能低下症が現在広く用いられている.オーラルフレイルは,口腔機能が低下している状態を表しているのに対して,口腔機能低下症は疾患名である.これらの用語が示すような口腔機能の低下は、認知症の発症および認知機能の低下と関連すると報告されている.認知症の治療方法は未だ確立されていないことから,認知症の前駆状態である軽度認知障害の状態から口腔機能を維持向上させることが重要であると考えられている.本稿では,認知機能と口腔機能との関連について,当講座の研究成果を含めて,近年の報告を紹介したい.

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