日本補綴歯科学会誌
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◆企画:口腔機能低下症
口腔機能低下症の検査と管理
佐藤 裕二北川 昇七田 俊晴
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2020 年 12 巻 2 号 p. 144-149

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抄録

目的:咀嚼機能検査を含めて,口腔機能低下症の7 項目の検査と管理を解説し,その効率的な実施のための取り組みを紹介した.

導入の経過:2016年4月に「有床義歯咀嚼機能検査」として医療保険に導入され,2018年4月からは咀嚼能力検査単独でも実施可能となり,咬合圧検査も追加された.「口腔機能低下症」の検査と管理は2018年4月に保険導入された.

検査の普及状況:有床義歯咀嚼機能検査は導入後3年以上を経過しても適応症例の1%未満しか実施されていない.口腔機能低下症検査の実施も,時間が掛かるなどの理由で,非常に限定的であった.

効果的な実施のために:有床義歯咀嚼機能検査の基準値の設定などが必要であろう.口腔機能低下症に関しては,検査実施順序の設定,患者説明用紙の使用,保険ルール改定などが必要であろう.これらの検査を活用して,広く国民の口腔の健康に貢献することがわれわれの責務である.

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