2020 年 12 巻 2 号 p. 192-195
症例の概要:52歳の男性.咀嚼困難を主訴に当院口腔外科より下顎義歯の製作を依頼された.化骨性線維腫により下顎骨区域切除術および遊離腓骨皮弁による下顎骨再建術を施行されていた.補綴前処置として顎堤形成術を施行し,暫間義歯を調整し,創部の安定を確認した後にテレスコープ義歯を装着した.
考察:本症例は下顎義歯に加わる機能力が大きいと考えられ,下顎の支持性を確保する必要があると考えた.また,顎堤形成術により皮弁の可動性・被圧縮性を改善できたことも義歯の維持や安定の要因になりえたと考えられる.
結論:リジッドサポートの概念を適用することで,下顎顎義歯に良好な経過を得ることができた.