2021 年 13 巻 1 号 p. 28-33
睡眠時ブラキシズム(SB)は,さまざまな歯科疾患のリスクファクターとなることが危惧され,その治療,管理は歯科臨床における重要な課題である.SBの治療,管理には的確な診断,評価が不可欠であり,歯科臨床への正確かつ簡便な検査法の開発導入が切望されてきた.2020年4月にSBに対する睡眠時筋電図検査が保険収載されるに至った.ウェアラブル筋電計を用いた睡眠時筋電図検査の日常臨床への導入と保険収載は,客観的指標に基づいたテーラーメイド診療の実現など,歯科医療の質の向上をもたらすものと考えられ,その革新的効果が期待される.また,ウェアラブル筋電計は,幅広い領域での研究や臨床での活用の可能性も有している.