2021 年 13 巻 2 号 p. 158-161
症例の概要:患者は67歳の女性.下顎部分床義歯の動揺による咀嚼困難を主訴に来院.残存歯の歯周ポケットは部分的に6 mm以上で垂直的歯根破折が疑われた.保存不可能な歯を抜歯し,下顎に4本のインプラント体を埋入しインプラントオーバーデンチャーを装着することで咀嚼機能の回復を行った.
考察:最終補綴装置装着後4年経過したが,インプラント体周囲の骨吸収および顎堤の吸収を認めなかった.本症例では4本のインプラントを用いたことでリジッドサポートによる義歯の安定が得られたと考える.
結論:下顎インプラントオーバーデンチャーを適用したことで咀嚼困難を改善し,良好な結果を得られた.